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RENAULT KANGOO 1.6

国内外のスプリングメーカーでスプリングが設定されていない車種のオリジナルスプリング作成事例。



vol.1:2006/9測定 (2006年9月30日)







元々商用車として欧州で使われているカングー。日本には乗用モデルが正規に輸入されていますが、日本のメーカーは勿論、欧州のスプリングメーカーでも殆ど設定されておらずオーナーのリクエストで作成することとなりました。




データ収集のために事前に車輌の静止状態の基準を計測します。
4輪とも/静止状態の基準となる高さ/静止状態のハブセンター(ホイールの中心)とインナーフェンダーとのクリアランス。
※原則としてノーマル状態での計測が必須(経年変化による変化も考慮する必要があります)。

この後タイヤ本体・サス・ショックを着脱します。 この時アライメントの狂いを最小にする為の目安として位置合わせを しておきます。もちろん装着後のパフォーマンスを最大限 引き出すには最終的に調整が必要です。また狂いなどが出ないよう位置あわせをしておき、組み付けの際に同位置へ復元可能な基準も併せて測定しておきます。












装着前・装着後にコーナーウエイトを計測。装着後の挙動特性を正確にデータ化するために行っています。
上記の数値は装着前、4輪を合算した場合の数値です。












サス・ショックを取り外し、まずはスプリングを組んだ状態で遊ばない長さを計測。荷重がかかっていない状態でスプリングの長さがどの位必要なのかを計測します。(装着した状態のままではラバーその他の厚みが不明のため分解後ラバーの厚みを考慮した長さを算定します)
またこの時点でスプリングの始点・終点の位置(真上から見た際の角度差)などショックに組み込む際の取付方向の確認も行います。今回のカングーは特に重要です。
なお、ココで計った長さより製品化するサンプルの長さが短いと遊びが出てしまったり、スプリングの始点終点の口径や角度差が異なってしまうと異音やボディとのクリアランス不足、ステアリングを切ったときの干渉、 不自然な動きの原因となるため皆様が想像されるより細かく計測します。
勿論ストローク量などの都合でバンプラバーやブーツの加工が必要な場合もこの時点で確認しておきます。












移動量を量るために先に計測した静止状態位置の高さにスプリングを装着しない状態でショックを車体の装着し、全く同位置に合わせます。これはスプリングによる戻りのない状態で許容量を計るためです。
基準位置に対しショックの伸縮状態を確認するためフルボトムする状態(目一杯縮める)から完全に伸びきった状態までを再現し縮側の許容量を計測します。またこの時にドライブシャフトやブレーキ補記類との位置関係、ショックの前後左右方向の移動による干渉の有無などの要素も併せて計測します。※尚サスペンションの構造によってはスタビライザーなども取り外し想定される動きを可能な限り再現する必要があります。









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